八百屋の土田
1.なぜ町家に住む・開業することになったんですか?

固定費がかからないところでお店を開きたかったからここだったという…大したドラマが無くてすみません(笑)
この場所でお店をやっていけるかどうか心配が無いわけではなかったですが、上越にこんな八百屋さんは無かったから、なんとかなるのでは?面白いことになるのでは?という期待もありました。
幸い、メディアにたくさん取り上げてもらって知って下さった方も多く、お店は常連さんに支えていただいています。常連の皆さんは調味料のリピート購入が多いですね。マヨネーズやお醤油など八百屋の土田にしかない商品が多いので、そこに魅力を感じていただいているようです。
実は、八百屋=なんでも屋、八百万の店として食品のセレクトショップをイメージしているんです。こじゃれた名前ではなく、懐かしい響きにこだわって、だけど内装はモダンに。英語の名前でかっこつけられなかったせいもあるんですけど(笑)
2.改装のポイントを教えてください

開店当初は全く手を加えずにいたんですが、やっぱり雰囲気としてそっけないというか殺伐としていて、どうしようかなと考えていたところに、野菜を卸していただいている瀬谷さん(※注1)にお任せしてみることに。瀬谷さんは、野菜も作るし、家も建てるし、音楽もやっているというマルチプレイヤー。
自分にセンスが無いのは自覚しているので…(笑)完全にお任せして自由にやっていただきました!床のコンクリート打ちっぱなしはそのままで、木の板の壁と棚、テーブルが瀬谷さんにつくっていただいたものです。家具は宮澤さん(※注2)からの貰い物ですし、正直、お金はあんまりかけていません!
(注1)瀬谷 佑介さん 上越市にIターン移住し、金谷地区で無農薬野菜の生産や手作りの住宅、音楽活動を展開している。
(注2)宮澤 隆さん 会社員として働く傍ら、コワーキングスペース「空き家BASE」を運営。
3.営業開始までに苦労した点はありますか?

そしていまだに改善できていないのが、地元の野菜を仕入れること。上越はお米農家が多く、野菜の作り手が限られてしまうので、店先にいつも地元の野菜を置くことができないんです。お米の産地、上越の特性が表れているとも言えますが、お客様にも「上越のものがないね」と言われるので、今後も引き続き努力していきたいです。
4.町家暮らしのいいところを教えてください
昔の高田の人たちが感じていた雁木町家の便利さを、現代でも同じように感じることができます。
5.どのような人と人とのつながりがありますか?
子どもの頃、おじいちゃんのところに遊びに来ていたので、ご近所の方が覚えていてくれて。ご近所付き合いや町内会に受け入れてもらいやすかったのはラッキーでしたね。
上越に限らず、地方の土地の閉鎖性はある程度覚悟していましたが、実際に生活してみるとほとんど心配いりませんでした。ただ地元で大事にしておられるルールや空気みたいなものは乱さないように、敢えて立ち入らないようにすることも時には必要だと感じます。
6.将来への展望を教えてください

無農薬野菜の作り手さんを上越に紹介し続けて、無農薬野菜が一つの選択肢として今の流通構造にも乗せられるようになること。
UIターンでは移住先で仕事を見つけられるかどうかが大きな壁になると思うんですが、サラリーマンじゃなくても低リスクで起業できることを伝えたいし、これから起業する人たちの良いモデルケースになっていけたら…とずっと考えています。だからまずは僕がちゃんと稼いでいかないといけませんね(笑)。
店舗情報
八百屋の土田
943-0825 新潟県上越市東本町1丁目3-49
TEL. 090-4617-2141
Email yaoya.tsuchida@gmail.com
Web http://yaoyatsuchid.thebase.in/
営業時間: 11:00 – (18:00) ← 17:00
定休日: 月曜日・不定休